ぼくのずるやすみ 26

ほんとはずるやすみじゃないよ!

3P + P

ボクにとっては身近です

父が保険の募集人という仕事をしているので、保険は僕にとって身近です。
マーケティングやビジネスの勉強をするとなったときに、保険について考えてみるのがやりやすかったので、考えてみました。

3P + P

僕も最近まで知りませんでしたが、保険会社ってマーケティング・ミックスを保険会社の中で完結させていないんですね。完結させてないというか、広告・販促政策の「販促」の部分を外注するというやり方をとっているんです。つまり、保険会社って「3P + P」って感じの構造になってるってことですかね(Product, Price, Place は保険会社が担い、Promotion は外部の主体が担うという構造ということ)。

だから、保険会社というのは、基本的には自分で顧客(法人ではなく個人)に対する営業はあまりしないのが一般的なようです。では、誰が保険商品を売っているのかというと、「保険代理店」という組織が販売の役割を担うことが多いみたいです。

なんでこんなカタチなんだろう

こういう形になった理由は僕には正直よくわかりませんが、従業員を抱えることなく販売ができるのでリスク管理がしやすいとか、販売の在り方として「複数の保険商品を比較して提案できる状態」が顧客にとって最もメリットがあるからとか、あるいは保険という商品の性質として人口のほぼすべてが顧客にもかかわらず、マスに対する均質的な広告や販促と相性が悪いので保険会社が単体でそれに対応するだけの営業部隊を抱え込むのは難しいという事情があったからとか、理由はいろいろあるのかもしれません。

やりにくさもありそうだよね

ただ、この構造には結構やりにくさもありそうだなと思います。
まず、保険という商品はすでに市場にかなり浸透しているので、新規顧客を見つけるというのはかなり困難です。特に人力で訪問などというやり方は非効率にもほどがあります。そうなると、既存の顧客の契約更新管理と、更新時などの商品の横展開などで顧客単価を上げることが必要になるわけですが、ペーパーレスや通信技術の進歩もあり、この辺の業務はそれほどマンパワーが不要になっています。なので、販促に必要な労働力は、現状においては保険会社でも十分管理できるように思います。

また、人力で足を使った新規開拓が非効率化する中で、マスメディア(Webを含む)を活用した顧客との接触の重要性が増しているように思います。もちろん、個々の顧客ののライフスタイルに合わせた保険の提案の重要性は変わらないので、訴求する商品は、ニーズが顕在化している最大公約数的な商品になります。こうしたマスでの集客が中心になると新たな顧客情報は保険会社に集まります。保険会社としてはここから、商品の横展開を狙っていきたいわけですが、販促部門を持っていないので、それが難しいです。そのため、代理店がそれを担うことになるわけですが、これもまた非効率です。

依然として、顧客にとっては複数の保険会社の商品を比較することを通じて最適な商品を選べることが大きなメリットではあり続けていますが、新規顧客が代理店ではなく保険会社に集まる構造上、代理店は保険会社との関係性を良好に保つ必要性があり、そのための一つの戦略が特定の保険会社への専業化を通じてロイヤリティを示すことだったりもします。そうすると、最後の砦的なこの顧客にとってのメリットさえ、揺らぎつつあると言えるのかもしれません。